新橋演舞場で公演中の弥生花形歌舞伎・獨道中五十三驛(ひとりどうちゅうごじゅうさんつぎ)を見てきた。
市川右近の十五役早替わりと20トンの水を使った大立ち回りが見せ場。
お家騒動に端を発し、家宝をめぐる忠臣と悪役一味の戦いが京から江戸までの東海道を舞台に繰り広げらるストーリーは大変わかりやすい。
狂言回しとして登場する女弥次喜多こと「おやえ」「おきち」の二人のユーモラスな掛け合いが、まるで漫才をみているようで面白い。特に「おきち」を演じる市川春猿の女形がいい。
残念なのは二階左だったので花道が全く見えず、場面転換中の花道での演技が全然見えなかったこと。声はすれども姿は見えず、非常にストレスを感じてしまった。
結論を言えば、猿之助歌舞伎はストーリー性に富み、スピーディーな場面転換と大掛かりな舞台装置があいまって、とても楽しめる。
最後になるが、澤瀉屋!の声掛けが少なくて劇場全体の一体感に欠けていたと感じたのは私だけだろうか。
弥生花形歌舞伎(新橋演舞場)
猿之助十八番の内
獨道中五十三驛(ひとりどうちゅうごじゅうさんつぎ)
2009年3月4日(水)―23日(月)