歌舞伎座よりもちょっと安い料金で歌舞伎を見ることができる。
松緑の魚屋宗五郎がお目当てだ。
チラシを読むと前半の「お蔦殺し」の部分は普段は演じられず、通し上演は20年ぶりとのこと。中でも序幕の二場「お蔦部屋」は85年ぶりの上演!
国立劇場はやはり国立だけあって広々としているが、商売気が足りないのか賑々しさに欠ける。
しかし2階廊下に飾られた日本画の数々は見ごたえがある。東山魁夷、杉山寧、小倉遊亀、山口蓬春など著名作家の名作がずらり。開演前のひと時を絵画鑑賞で楽しめる。
さてお芝居であるが、孝太郎のお蔦は演技が律儀でやや面白みに欠ける。亀蔵の悪役ぶりも今ひとつである。
後半、いよいよ松緑の宗五郎の出番。
きびきびしたセリフまわしで気持ちが良い。
孝太郎演じる女房おはまもテンポがよくて気持ち良い。お蔦よりおはま役の方がはまっている。
見せ場は三味線に合わせてリズムよく酒を飲み干す宗五郎の演技と、次第に酒乱になっていく様である。
全体にまだこなれていない感はあるが、テンポがよく、なかなかいい芝居なのに客の入りが悪いのは何故なのだろう。
○通し狂言 新皿屋舗月雨暈(しんさらやしき つきのあまがさ)
~お蔦殺しと魚屋宗五郎~
○国立劇場 11:30-14:25(幕間12:35―13:05)
○2009年3月5日(木)―27日(金)
愛妾お蔦/宗五郎女房 片岡孝太郎(松嶋屋)
魚屋宗五郎 尾上松緑(音羽屋)
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