二つ目の出し物「廓文章」の仁左衛門、最高!!
仁左衛門扮する藤屋の若旦那・伊左衛門の色男ぶりが非常によい。
家の芸とされているだけあって、はんなりした若旦那の風情はぴったりはまっている。
一つ目の「彦山権現誓助剱 毛谷村」がいまひとつの出来だっただけに、「廓文章」の面白さが引き立った。
期待の玉三郎は出番が少なくちょっぴり残念だったが、それを上回る収穫だった。
吉田屋の主人とおかみを演じた我當と秀太郎の演技もなかなかひかるものがある。
三つ目の「曽根崎心中」は藤十郎の当り役。
よく計算されていて楽しめるが、心中のシーンを演じる三幕目が少々饒舌。
しかも藤十郎演じるお初が十九歳であることがわかり、更に興醒め。
一幕目、二幕目の芝居が良かっただけに悔やまれる。
橋之助の悪役ぶりも板についていた。
終わったのは9時15分すぎ。いつもより長くて少し得した気分である。
歌舞伎座さよなら公演 四月歌舞伎 ~夜の部~
○彦山権現誓助剱 毛谷村/吉右衛門、福助
○廓文章 吉田屋/仁左衛門、玉三郎
○曽根崎心中/籐十郎、翫雀
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